誰彼 -たそがれ-
ブランド/Leaf
ジャンル/アクティブ・ドラマタイズ・ノベル
2001年2月発売

戦争中、旧日本軍は不老不死を研究していた。その成果としての「強化兵」。
しかし、長い眠りから目覚めた地下の実験室は様子がおかしい。かつての同僚による襲撃。偶然迷い込んだという、見たことも無い服を着た少女――
目覚めた世界は50年後の世界だった。
交錯する古きものと今を生きるものの思惑。人の理想と、願望と、現実と。物語の真相が、少しずつ姿を現す――

システム周りは一般的なノベルゲームになってます。
Leafのビジュアルノベルとは違い、テキストはウィンドウで表示されます。
スキップは付いていますが既読・未読の判定選択は無く、既読のみスキップ、オートモードはありません。バックログは装備。

また、EDを見ていくとメニュー欄にCGモード、リプレイモード、OPムービー、音楽モードと追加されていきます。

セーブ箇所は10個。
これは少ない方ですが、ゲーム自体に選択肢も少ないのでそこまで不便さは感じないかと思います。でも10個はこれまでで最小かも(笑

絵師はカワタヒサシさん。
長らくLeafで原画やっているように思います。このレビュー書いてる現在も在籍してますし。目の辺りに独特の感じはありますが、基本的にバランスが取れていて上手です。一枚絵、立ち絵と違和感なし。グッジョブ。

また、今回の目玉とも言えるアニメーション画面。
こっちのほうは……まぁ、見れないものでは無かったです。きれいで見惚れる、ってこともなかったですが。まぁ、時代の流れの不利はあると思います。Fateとか、静止画アニメでここまで……ってレベルですし。戦闘シーンなんかでは緊張感がでたり、百聞は一見にしかず、的なところはありました。

背景は草薙のメンバーが加わっていて、やはりきれいです。こちらも問題なしです。

全部で23曲、そのうちボーカル曲3曲でKayaさんという人が歌ってます。
ボーカル曲は男性の重厚な声を生かして、作品の雰囲気とマッチしていたと思います。特にEDの心(SORA)は良かったです。これとOPはKayaさんなのですが、もう1曲はおまけシナリオ用のネタ曲です。

BGMは全体的に一昔前の映画の曲みたいでした。
作品自体が謎めいた感じを出していたので、そういう意味ではあっていた感じです。可もなく不可もなく。この感想が一番しっくりきます。

また、音声はありません。
この頃のLeaf作品はほとんどありませんでしたし、アニメーションがあると、それに声をつけにくかったんじゃないかなぁ、なんて思ったり。

書き手は竹林明秀さん。
不老不死をテーマにすえて書いているのですが、全体としてシナリオは薄めでした。ボリューム不足に加えてキャラクター数が多いため、どの人も消化不良になってしまった感が否めません。

不老不死を作り出す設定の説明をしていたら急にEDに入ってしまっていた……という感じでしょうか。EDにある程度のメッセージ性はあるのですが、そこまでの書き込みが足りないので読者がおいていかれているのでしょう。

攻略制限があり、EDを見るたびに選択肢が増えて事件の全貌が明らかになるという、「痕」のような展開なのですが、各キャラクターのつながりが薄めで相乗効果が得られていないところが残念です。

キャラクターも特筆するところは無いと思います。一番書き込まれていたのは、実は敵キャラの御堂じゃないか、とか思います。彼が周囲の同僚(強化兵)をどのように感じ、どのように思っていたか。一種のコンプレックスみたいな境遇を描写していたかと。登場回数が多いことがその原因かもしれませんが。

クリア後におまけシナリオがあります。シナリオというか、劇場が(笑) お話というのではなく、このゲームの売りであるアニメーションを使ったパロディです。御堂がやっぱり面白い。

桑嶋高子さん
知的で奢らず、一生懸命な人です。そんな姿に萌え。黒髪ロング萌え(ぉ

2005.2.18