萌え萌え二次大戦(略) 体験版と製品版
ブランド/SystemSoft
ジャンル/SLG
2007年12月発売

自分のメカ萌え増量キャンペーン中にタイムリーな発売。
放っておく訳にはいかない! ということで、すでに予約を済ませてあります。発売一週間前にあわせて体験版が公開されたので、早速プレイしてみました。なので、少し感想を書いてみて、他の人の購入検討の一助になればなー、なんて思ってます。

【追記】
製品版を購入、プレイしました。その感想を追記というカタチで書き記しておきたいと思います。総括と、各項目に追記を加えました。中途半端ですけど攻略はこちら。CG補完とか。

べ、別にシステムソフトの回し者なんかじゃないんだからっ! (↓ページ内リンクです)
どんなゲームか
【New】どんなゲームだったか
システム
SLGパート攻略
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テキスト
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ターン性のウォーシュミレーションです。
第二次世界大戦を元に、欧州戦線と太平洋戦線が用意されています。そこで欧州ではドイツ軍、太平洋では日本軍を使って戦っていきます。各10話構成で、1話につき戦闘が複数用意されているようです。こちらがSLGパートです。
で、戦闘の合間にはADVパートがあって、このゲームの特色である鋼の乙女たちの会話を見ることができます。いわばギャルゲーパートです。

体験版では欧州戦線・太平洋戦線のそれぞれ最初の2話がプレイできます。チャレンジモードでも太平洋戦線の有名どころである真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、マリアナ沖海戦の3つをアメリカ側の視点でプレイできます。シナリオは序盤ということもあり難易度低いですが、チャレンジモードは若干高めかも。日本が誇る戦艦・大和さんが強すぎ……。

総括のようなモノを。

まず、良かった点。ミリタリーモノでしたが、それにあまり詳しくなく、かつ”萌え”という要素に惹かれた人を満足させるという点では及第点だったと思います。シナリオはショートストーリーの盛り合わせのようなもので、キャラの魅力を引き出すには十分の出来だったと思います。ただ、普段いわゆるギャルゲーをプレイしておらず、”お約束”的な展開に抵抗があると受け入れにくく感じる部分もあるかと。

悪かった点。
システム全て。こういっても過言では無いと思いました。ゲーム進行ができなくなるようなバグが存在したまま発売するのはいかがなものでしょうか。特にSLGパートのミスが多すぎます。わりと素早い対応を見せていましたが、そのたびに古いver.のセーブデータが使えなくなるというのではプレイ意欲が減退してしまいました。さらに追い討ちをかけたのがコンシューマ移植。発売日に購入した自分にとって、ああ自分たちは人柱にされたのかなー、と切なくなりました。

細かい部分については各項目にて書きますので割愛。
ファイルのアップデートが終了した今なら、システムに振り回されることも無く楽しめるかもしれません。SLGパートも難易度は高くないので、普通のADVだけにも飽きてきて、かつキャラ萌えした方は買ってみるのもアリかなと思います。ただし、媚び媚びというわけでもなく女の子(兵器ですけど)たちのじゃれあいが主であること、登場キャラが多いので自分のお気に入りがあまり出てこなくても泣かない、ってことも考慮してください。

SLG部分に期待して、という動機ですと止めた方がよいかと。

SLGパート
生産コマンドがない、つまりユニット数増加の無いスパロボ型の戦略シミュレーションです。各ユニットは大戦略系にある機数ではなくHPを持ちます。特徴はなんと言っても鋼の乙女。他の汎用ユニットと違い能力が高めに設定されています。彼女たちだけ特殊兵装が用意されており、それをどのように使うかが勝敗の分かれ目になります。

で、実際にやった感じどうか。
難易度ノーマルでやりましたが、上手く調整されている感じです。各ユニットにエネルギーが設定されていて、コレを消費して攻撃します。0になったら攻撃・反撃不可能になります。鋼の乙女の特殊兵装は強力です。しかし消費エネルギーも多い。計算も何も無く打ちまくっていると途端にエネルギー切れとなり、鋼の的になります……。特に相手の数が多くなったとき、知略の見せ所で面白いです。

また、通常弾は結構外れます。これは敵も味方もなんですが、”命中100”以外、大体汎用ユニットで70〜80が多いのですが、外れてもおかしくないです。このランダム要素が結構シビアというか、戦略を立てる上でポイントになりますね。これは楽しめる人と、イライラする人で分かれると思います。残念ながらスパロボと違って、1ユニットの行動ごとにセーブ、事実上の必中なんてことはできないので、あしからず。

これらのシナリオ以外にもチャレンジモードとして、シナリオ上で出てきたマップを敵軍視点でプレイすることができます。これは簡単に思いつきそうですが、今までには無かった機能ではないでしょうか。SLGで敵固有キャラといいますか、そういったキャラを動かして主人公たちを苦しめるというのは誰しも一度はが思い描くことだと思うのですが。これでマップ前後にADVパートとかあればなぁ、と思うのは贅沢でしょうかね。

また、どうしても詰まった! などというときのために、各マップ前に訓練モードが存在します。ここで自軍のレベル上げを行うことができるので、救済措置となっている感じですね。普段使わない技のアニメーションとか見放題〜。


ADVパート
基本的なインターフェースは整っています。セーブは100個までできますし、クイックセーブ・ロード、バックログ、オートモードの速度調整なども装備。SLGモードの中断もできますが、1個だけです。複数できると前述のような武器必中ができてしまいますしね。あくまでいったん休憩、という感じです。

ちょっと目に付いたのは右クリックがあまり有効に生かされていないこと。例えばノベルゲームによくあるのは、システム画面やバックログの画面から右クリックで元の画面に復帰することができると思います。わざわざ画面右下などにある”戻る”をクリックしないのではないでしょうか。そのあたりに使いにくさを感じましたかね。

それから、SLGモードに最初や途中に会話シーンが入るのですが、そこでミニゲームをすることがあります。これの成否で戦況に影響が出る仕組みなんですが、ミニゲームの前に全然操作説明とかがないのですよ。会話が終わって画面が変わって、さぁやれ! と。大体雰囲気で分からなくもないですが、少しは説明が欲しかったかな。

あと、一番最初にチュートリアルでSLGモードの説明があるのですが、そこだけ何故かバックログ未対応……。こういうところこそ、見返したりすると思うのですが……製品版だと説明書で対応できると考えているのか、単に忘れているだけなのか……。

【追記】
SLGパートは総括でも述べたとおり、アップデート無しではいろいろ不具合が出て大変でした。難易度ノーマルですと、特に詰まることもなく最後までいけます。極端な話、訓練モードでレベル上げやれば詰むことも無いですし。が、訓練モードはかなり作業的になります……。

ADVパートあまり変わらず。こっちは立ち絵が重なったりでおいおい、と。”システム”ソフトじゃないのかい、と小一時間(ry

一応自分なりの攻略指針を書いてみようかと。
基本的な方針は”待ち”がよいと思います。ユニット数を増やせない状況ではいかに数的優位を作り、個別撃破をしていくかがポイントとなるでしょう。一番手っ取り早いのは引きこもって待つことで、相手の移動力の差を利用した分断を仕掛けます。パラメータ画面では具体的な移動力は表示されませんが、飛行ユニットの場合”速”は5マス、”並”は4マスとなります。これプラス射程を考慮して、相手の移動後にこちらから攻撃を仕掛けるのがベストかと思います。

これは逆も言えて、なるべく集団で動くことを心がけるべきです。
単独ですと多くの敵ユニットが隣接できますから、集中砲火を浴びて撃墜されます。HPが1でも残っていれば一撃を加えることができますので、生存と撃墜は天地の差です。

鋼の乙女の必殺・特殊は上手に使いましょう。
強力な攻撃ですからついとどめに使ってしまいがちですが、これらの攻撃は相手に反撃の機会を与えません。また、範囲(単体・前方・周囲)も常に確認しておきましょう。

最後にこちらから攻撃することが必ずしも正しくは無い、ということがあります。
あと2発で撃沈できるとき、自軍のターンに攻撃を仕掛け、相手のターンで攻撃された時の反撃で堕とすと2回分のダメージです。しかしこちらのターンでは待機しておき、相手のターンの反撃で1発、次の自分のターンで攻撃して撃沈すれば被ダメは1回分で済みます。ただ相手がどのユニットに攻撃してくるか把握する必要がありますが、使いこなせれば戦略の幅が広がると思います。

絵師さんはたくさんいます。
美樹本晴彦さん、北爪宏幸さん、六道神士さん、藤沢孝さん、宇佐美遥さん、じじさん、菅家智則さん、虎山もとはさんの総勢8人。この名前にピンときたら買いましょう、的な感じです。

で、各自立ち絵と一枚絵を描いているわけですが……複数原画家さんのメリットでもありデメリットでもある”完成度のバラつき”が出ています。しかも正直幅が結構ある感じ……。体験版に使われた中で美樹本さん、六道さん、じじさん、菅家さんは上手いなぁ、と思いました。主に立ち絵での判断になりますが、人物のデッサン、表情や小物など細部の描き込みが丁寧な仕事でした。北爪さんは萌え系には合わない絵柄かも……。虎山さん、宇佐美さんはもう少し頑張ってほしい感じです。虎山さんは丁寧なんですが絵に躍動感が足りない感じ。宇佐美さんはデッサンが……。藤沢さんはキャラがほとんど出てきていないのでわからないです。

一枚絵に関しては体験版で使われた枚数が少ないですし、実際に公式サイトに行ってサンプルCGを見るのが早いかと思います。全体的にクオリティは高く、製品版では枚数も多めになるのではないかと思います。

また、戦闘アニメーションなどに使われるチビキャラなんですが、個人的にはドット絵でやってほしかったです……まぁ、これは完全な個人の趣味なんですがね(笑) 萌えという視点から見ると最初は少し物足りないかもしれませんが、何度と無く見ているうちに愛着がわいてくるチビキャラだと感じました。特に戦闘アニメの中での仕草が可愛くて可愛くて。

【追記】
一枚絵は118枚。半分の60枚は被ダメに応じたカットインなんで、実質58枚。各話に1〜3枚といったところ。個人的に思ったのは、擬人化兵器と言った時に”女の子が武装パーツを装備してる”というのと、”メカ部分は体の一部”という解釈をしている人がいたなぁ、ということ。前者ですと例えば、装備外して水着姿なんてことができるわけですよね。でもそれじゃメカ少女目当てで買った自分どうなの……普通の女の子の水着だったら他にたくさん……。もう少し特徴を生かした絵が見たかった。そんな気持ちでした。

あと、SLGのユニットの絵なんですが、レベルアップしたら見た目が変わるとか個々のユニットでやって欲しかった。一部変わるモノもありますけど。

体験版の中にはムービーなどはありませんでした。
デモムービー・ボーカル曲は先行して配布されていますし。ボーカル曲は電波系ですな。iPodに入れて常に聴きたい! というほどでもないですが、聴くに堪えないということもなく。一時期PCのオーディオ再生ソフトに1曲だけ入れて何度もループさせて聴きましたが、飽きることはなくむしろ聴けば聴くほど愛着がわく感じでしょうか。まぁ、ずっとプレイリストに残るということもなかったですが。

ムービーはOPと内容紹介で4分弱。雰囲気は味わえます。

声優さん。
声が合う・合わないってのは絵の印象との兼ね合いで、そして絵柄以上に個人差が出ると思います。ですが、自分は合う合わないより技量にバラつきがあるように感じました。落合さんなんかは有名どころですし、さすがだなと思いましたが、他の方で特筆する人はいないなぁ、という印象ですね。おや? と思うところもありましたから、声に関してはあまり期待はできそうにないかもしれません。

【追記】
これは体験版で感じたところから大きな変化はありません。

こちらは可もなく不可もなく、といった感じだと思います。
ただ、萌え特化のギャルゲ・エロゲを数多くこなして、萌えや笑いについて要求の高い人にとっては物足りなく感じるかもしれないです。専門どころと比べると厳しいかもしれないですが、思わずニヤニヤしてしまうのも事実だと自分は思いましたけどね。

テキスト部分は大きく二種類。
シナリオの前後でどのように戦闘に入っていくかを書いた部分と、各話をクリアした時点でインターミッションとして鋼の乙女たちの日常を書いた部分。後者は何人かのキャラクターのうちプレイヤーが選択できます。例えば太平洋戦争編ですとレイさんかナナさん、どちらかの話、といったように(体験版だと。製品版はもっと増えるかもしれないですな)。

【追記】
インターミッションの話、個人的には面白いものだったと思います。媚び媚びせず、キャラの個性を上手く表現できていたかと。ただ、一部エロを前面に出そう出そうとしていた感がありました。特に太平洋戦線。別にサービスカットいらない……エロ目的ならエロゲ買うわ、と。

クリア後に実装される”if”についても少し。
ifシナリオと言っても歴史が変わる”if”ではなく、枢軸側でプレイしていない方(ドイツプレイ中なら日本、日本プレイ中ならドイツ)のキャラが顔を見せるだけだったのが残念。どうせなら史実を変えた結末という意味での”if”が欲しかったですね。各側一周ずつ終われば既読スキップで各ヒロインの話回収とか、作業プレイに。

以上まとめると、もう少しボリュームがあればなー、とか。

レントさん(Ju88・ドイツ)
個性派集団をまとめるマジメな指揮官さん。いつも振り回されているのですが、その苦労人っぷりなところが好印象でした。今回登場のドイツの方はみんな魅力的でした(ルーデルさん、エーリヒさん)。日本でもレイさんはもうニヤニヤが止まらないんだぜ。
ただ、戦闘後の個別シナリオでレントさんを選んだのですが、イマイチ彼女が中心の話になりきらなかった印象があったので、そこが残念といえば残念かも。まぁ製品版に期待ということで。

【追記】
レントさん、体験版以降も出番少なく……。エーリヒさんやルーデルさんはわりかし顔出すんですけどね。

2007.12.17
【追記】 2008.9.17