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サナララ
ブランド/ねこねこソフト
ジャンル/ADV
2005年4月発売

一度は夢見る”if”の世界。ほしいもの、なりたいもの、やってみたいこと。
たいていは現実を見て、そんなことは考えなくなり、変わらない毎日っていうのを過ごしていく。

でも、もし願い事が一つかなうなら―――

これは、誰にでも起こりうる、『すこし』不思議な、『すこし』違う物語。

ノベルゲームの前作である「ラムネ」とはまた少し違ったフレーム回りになってます。

メッセージウィンドウの周りには何もなく、画面の上にオートモード、スキップがついている外観は同じなのですが、メッセージウィンドウ横に表情アイコンがつくようになりました。小さくておまけみたいな感じですが、ちゃんと表情も変わっててよかったです。

右クリックの設定も音量調節とオートプレイ速度の調整のみ、とシンプルでわかりやすくなってます。いろいろごちゃごちゃあるよりこっちの方が好きですね。一つだけあげるとすれば、画面上部のボタンにバックログをつけてほしかったです。

セーブ箇所は100個。
普通に多いです。選択肢自体も少ないので十分ですね。前回セーブ時の画面が表示されたりでわかりやすいです。

絵師は藤宮アプリさん、闇野ケンジさん、u-rさん。
これまでの原画家さん陣とは違う顔ぶれになってます。全体的に幼い感じになってますね。
自分は特に幼子萌えっ、ってことはないですが、そんな自分でも普通に見られる絵だったと思います。一枚絵では、希未さんの街中をうつむき加減で歩くCGがお気に入りです。それから由梨子さんのCGは全体的にお気に入りです。

とはいうものの、枚数少なめなこともあり、全体的にちょっとパワー不足かな、というところはあります。原画家初挑戦、ってことで今後に期待ですねー。

背景は可もなく不可もなくといった感じです。
背景の人物画は少し違和感ありましたが……それほど気にすることもないでしょう。

全部で22曲、ボーカル付き2曲です。
曲数見るとちょっと少なめな印象を受けますが、全体のボリュームを考えると、むしろ丁度いいくらいです。ボーカル曲の「サナララ 〜花咲く月曜日〜」が良いです。イントロのサックス(?)っぽいところがお気に入り。

今回の曲は、いうならば空のようなイメージを受けました。
一曲一曲が、流されるシーンに応じて晴天、曇り空、夕立、夕日というような、様々な表情を見せて、でも全曲共通の、この作品の売りである”ライトさ”とでも言うような一本筋が通っている印象があります。使いどころもよく、演出という観点からも十分及第点だと思いました。

声は全体的に良かったと思います。
各キャラの特徴を捉えて、しっかり演じられていたかと。希未さんとか、新規な方らしいですが上手でした。

書き手は片岡ともさん、中森南文里さん、海富一さん、木緒なちさん。
正直、プレイ前はそれほど期待していませんでした。でも本当に、良い意味で期待を裏切られましたね。四人が一つずつ、四つのストーリーが描かれているわけですが、どのシナリオもそれぞれのライターさんが自分の色を出した素晴らしい出来だったと思います。

一章。
恥ずかしがり屋の女の子が、とあるきっかけから上を向いて歩こうとがんばるお話。ライターの片岡ともさんが、同時期に「120円の春」を並行で進めていたためかもしれませんが、全体としての雰囲気が少し「120円の春」の”夏”と似ている印象を受けました。

しかし、当然ですが全く一緒と言うことはなく。特に、自ら避けてしまう希未さんといっしょになる状況を作り、彼女の個性の立て方っていうのは上手いと思いました。前半のハチャメチャっぷり、ラストの展開とよくまとまっていました。

二章。
幼馴染さんとのお話です。近すぎて気がつかない、というある意味王道的なものです。どこでその境界を越えるのかの描き方が、そのライターさんの腕の見せ所だと思います。ここではさりげなく、ある種最後のエピローグで謎かけのように終わらせていて「あぁ、そういうことか」と思わせるラストでした。

実際、いつも一緒の二人の恋というのは、劇的とか、運命的だとか、そういうものではなく「あぁ、そうか」と、気がつくものなのでしょうね。

三章。
こちらは一転して不思議な物語。これまで二つとは雰囲気が変わります。ライトな感じから少しシリアスな感じに。夜の学校という舞台もそうですが、全体として静かな、儚い、触れると壊れてしまうような。四つの話の中で最も小説に近い、伏線とか構成をよく考えたものだと思います。

設定は、言ってしまえばよくあるものかもしれません。しかし、そこから紡がれる話はしっかりと個性を持っていたと思います。キャラも個性強いですし(笑

そして四章。
個人的にこの章が一番好きです。表題の「サナララ」の意味だとか、夢と現実だとか、オフィシャルの日記にも書かれていましたがそういうところを、絵というものを通して描いています。答えがなくてもいい、と木緒なちさんは日記に書かれていましたが、こういうものは悩む過程そのものが答えなんだと思います。人と触れ、考え、悩み。そして時には間違い、凹み。そんなことの繰り返しだと思います。それを世界の唯一の問題だと思っていた頃の気持ちみたいなものを思い出させてくれる。そんなお話でした。

矢神由梨子さん
というわけで、シナリオともどもこの方でしょう。落ち着いているのですが、彼女が見せる様々な表情というのが、普段の落ち着いてるギャップからか一段と輝かしく見えます。

自分としては、食事の時の”え゛っ”みたいなちょっと困った表情のCGがお気に入りです。

2005.5.18