PCゲームビューです。
さて、”懐古主義”と銘打って書き始めたわけですが、何故懐古主義なのか。
単純に最近のゲームをやっていないこともありますが……昔と今のゲームを比べて、前者が必ずしも劣るかといえばそうじゃないと思うのですよ。

ハードのスペックの影響を受けやすいビジュアル面に関しては、さすがに劣るといわざるをえないでしょう。しかし昔だからといって話の質が風化することはないと思うわけです。名著は時代を越えても名著であり続けるように、作品の根幹をなすシナリオは時間が経っても名シナリオなんです。

そういう、一番時間があり、一番のめりこんだ時期に自分をひきつけた作品の良さみたいなものを、それを知らない人に伝えたい。そんな理由からくる懐古主義なわけです。

作品の年代としては、発売日が99〜04年付近が中心となっています。
以前は点数化などしていましたが、個人的にナンセンスなことだと思い廃止しました。
代わりに全作品に対して短評をつけてみました。短評はネタバレなし、フルレビューではネタバレもありで。フルレビューは製作が大変なことなどもあるので半分くらいしかないですがー orz

改めてちょこっと考えてみたり。
PCゲームに触ったことの無い人も意識しつつ。

一般的なイメージとして、PCゲームは18禁ラベルが貼ってあるモノで、”エロゲ”と分類されるわけです。自分はこのカテゴライズが問題だと思っています。音楽と一口に言ったとしても、そこにポップがあり、バラードがあり、ロックがあるように、PCゲームもジャンルごとに分けられるべきで。それが出来ないのは市場の小ささとかあるわけですが。一般PCゲームとして発売して会社がやっていくためには、ある程度の知名度がないと出来ないのが現状でしょう。なんで、えちぃシーンも入れて18禁ゲームとして売っている。そういうところもあるはず、というのが自分の考えです。

PCのノベルゲームの位置づけ。
これは端的に、”本と映画の中間”というイメージがいいと思います。本は活字だけで世界の骨格だけ与えて、色付けを読者に任せています。一番自由度が高いのではないでしょうか。逆に映画は文章の代わりに音、映像、台詞を用いて世界に色をつけ、完成品として提示します。視聴者は第三者視点。

PCゲームだとどうなのか。
文章はありますが、視点は一人称です。全ての動きが把握できるわけではありません。映像はありますが静止画がほとんどで、いわば想像の土台だけ与えられている状態。音、台詞は映画と同じ効果で物語を盛り上げます。
つまり、世界に色はついているが完成はされていなく、最後に仕上げをするのは自分、というのが位置づけではないでしょうか。本よりもとっつきやすく、映画よりも主体的。そんな感じだと思ってます。(本、映画を否定してはいません。共存できます。)

18禁の解釈。
確かに性描写もあるわけですが、自分は”18歳以上向けのノベル”という解釈が出来るのではないかと思います。これはねこねこソフトのライター、片岡ともさんが仰っていたことでもあります。18歳という、思春期、世の中の不条理、世界が自分中心じゃないこと、そういう経験を終えたからこそ考えられること、分かること。それがきっとあるはずなんですよね。


もちろん絵の99%以上がえちぃシーンという作品もあります。
それを否定するつもりはありません。自分の価値観とはあわないね、という話なだけで。